2011/11/16

デザインのベクトル

欧州と日本ではデザインのベクトルが異なっている気がする。特に震災もあって日本の場合、コミュニティ(人)に大きくシフトしている。反対に欧州は、モノにまだ可能性を感じていて、新しい設計手法やツール、解析など最先端の技術の方向へと進みつつある。

僕はというとこのどちらも大切だと感じていて、むしろこれからはバランスなのだと思う。新しい技術や解析はあくまでツールだし、コミュニティに頼りすぎると設計という行為(職能)の意味が見えにくくなるのではないか。

今回の講演会で、僕個人的に意図したいことは、どのようにバランスのある設計を可能にするか、多くの人と共有可能なデザインが可能になるのかという方法試論を投げかけたいと思っている。

2011/11/15

シュバントバッハ橋

先月見に行ってきた。非常にシンプルなのに存在感がある。曲線の線形と力学から生まれたかたちの変化、版アーチの経済的特性(打設後上部床の施工の支持材となること、シンプルな面での造形)に加え、床版と桁との接合部を歩行空間として処理していたり。力学、経済性、空間性、様々な要素を一体的に解いた結果、固有のかたちが生まれ、風景の中に静かに佇む。そして鉄筋コンクリートという当時の技術を活用してできている。

様々なものが一体となっていく感じはコンクリートの造形そのもののよう。アーチに剛性を付与した同じマイヤールのサルギナトーベル橋に比べると、造形的には控えめだが、この橋がマイヤールの作品の中で最も好きな作品。


ローランネイ講演会 2011

今年は4カ所に加えて、打ち合わせもあるため非常にタイトなスケジュール。以下が時間と場所。

11月27日(日)15:00~18:30 アクロス福岡 詳細 
11月29日(火)14:40〜17:00  Y-GSAパワープラントホール(横浜)
11月30日(水)18:00〜20:30 日本大学CST ホール
12月1日(木)14:00~17:00 大学コンソーシアム大阪  詳細


2011/11/14

11月

今年も日本で講演会。東京、横浜、大阪、福岡、熊本の5カ所。

僕も話をする会場がほとんどなので、久しぶりにデザインとか設計についていろいろな人と議論をすることになりそう。今回、僕が話すことは、実際に実現しつつあるものの中から考えた思考にしたいと思っている。僕は、机上のアイデアの善し悪しよりも、実際につくること、社会の中で強度を保ち続けられるものを生み出すことにデザインの本質があると思うからだ。

見たり読んだりする中で学ぶこともあるが、つくることからみえることがある。