先月見に行ってきた。非常にシンプルなのに存在感がある。曲線の線形と力学から生まれたかたちの変化、版アーチの経済的特性(打設後上部床の施工の支持材となること、シンプルな面での造形)に加え、床版と桁との接合部を歩行空間として処理していたり。力学、経済性、空間性、様々な要素を一体的に解いた結果、固有のかたちが生まれ、風景の中に静かに佇む。そして鉄筋コンクリートという当時の技術を活用してできている。
様々なものが一体となっていく感じはコンクリートの造形そのもののよう。アーチに剛性を付与した同じマイヤールのサルギナトーベル橋に比べると、造形的には控えめだが、この橋がマイヤールの作品の中で最も好きな作品。