2009/09/05

ダボス

チューリッヒから2時間、ダボスに到着。高原のリゾート地。
空気がひんやりと心地いい。光の感じからだろうか、緑の色も街の色もすべてがひんやりと淡く見える。
ダボスには3日間の滞在。キルヒナー美術館などいくつかみたい建築があったからここに行くことにしたのだが、よかったのはダボスを含むスイスの山間部の風景だった。




ここで感じたのは建物よりも自然の色がとても淡く心地よかったことと、山間部の鉄道や道路などインフラがしっかりとデザインされていること。今回乗ったベルニーナ急行はまさにその最たるもので、標高差2000メートル近くを山間部を抜け走っており、数百のトンネルや高架橋によってできている。氷河のある風景から、イタリア北部の明るい風景までを3時間ほどでゆっくりと走る。淡く緑がかかった氷河の雪解け水。日差しは強いけれど淡い空の色。様々な色に出会える。




鉄道を途中下車すれば、自然がそのままそこにある。無数のトレッキングコースがあり、柵などはなく、必要最低限の案内があるのみ。自分で安全を考えながら歩く。全くの自然ではないが、必要最低限の人工物があることで自然と人の風景がちょうどバランスよく調和している。最低限のインフラがしっかりとデザインされている。




インフラの重要さをしっかりと理解しているのは鉄道のなかで流れるアナウンスからも感じられる。ポイントとなる高架橋やトンネルについて、エンジニアがつくったものであることをしっかりと解説している。こういったことが共有されていることは本当にすごいと思う。よくスイス人は、学生でも文字の扱いやデザインの基礎がしっかり身についていると聞くことがあるけれど、そのわけが少しわかった気がした。頭で理解するのではなく、感覚として入ってくるものがここにはある気がする。