2011/05/13

新しさ

単なる新しさには興味がわかなくなってきている。それよりも何が必要なのか、「問い」を探すようなことの方に興味がある。これまでにないような新しいアイデアも、何のために存在するかや人の生活にとっての意味を持たないとするなら、僕にとってはあまり興味の対象にならない。

そういった新しさは、たいてい資本の流れとは無縁になる。ヒットチャートのような大衆的であることは、公共の場所を扱う仕事をする僕たちが忘れてはならない重要な側面を表している。使える新しさのようなものがいいし、思いついてしまえば誰でも考えられたようなそういった新しさがいい。このことが一番難しいことは「デザイン」をしっかりやってきた人にはわかるはずである。

僕は、僕が今考えているもしくはこの環境で取り組んでいるような「デザイン」の在り方を、日本の社会の中に、資本の流れの中に滑り込ませようと考えている。簡単ではないが、かすかに道は見えているし、進んでいる実感はある。そのためには、ジェネラルな視点で物事を捉え、道をつくっていかなければならないと思う。

先週の日本で、また新しく提案をする方向が見えた。「デザイン」する前に、デザインのための下地をつくる企画を練る。チャンスを待ったり、今世の中に存在することのみをみているだけでは、日本の土木は変わらない。