2008/06/13

パリ、装飾

パリの印象は、街の中の至る所に装飾が施されていること。
時にはくどく感じることもあるほど。特にルーブルを訪れると特にそう感じる。しかし心地よいときもある。マーケットやカフェなどの日常の背景に、装飾の施された風景があるのは心地よい。気取らず当たり前にそこにデザインがある。

セーヌ川に架かるソルフェリーノ橋は、モダンでありつつも構造体の形態が複雑なことや各々の部材が立体的にデザインされていることもあり、どこか装飾的でもある。この装飾的な印象が、この橋を街にとけ込ませるのに一役買っていると思う。シンプルさだけならば、おそらくこうはならないだろう。

人が感情移入するのには、装飾は重要だと思う。また、わかりやすい。様々な議論の前に、時にはわかりやすさが必要だ。造形的、装飾的であることは、どこか表層を問題にしている感もあるが、この場合は橋という構造を中心に成り立つ構造物であるせいか、この装飾的であること造形的であることが、表層的な印象は受けない。

パリに来て構造物が装飾的であってもいいと感じた。歴史の中での連続した時間の一部として、これらを存在させるデザインなら。