2011/02/22

形態と構造

昨日考えたことのメモ。構造を突き詰めていった先の形態。構造とその他の無数にある要素をバランスさせた形態。この2つ、双方ともに魅力的であり危険な部分もあるのではないかということ。前者は新しい構造システムを生み出す可能性があるが、同時にあまりに専門的であるが故に最終的なかたちが、専門外の人まで引きつける魅力を持ち得ないこともある。後者は多くの人と共有されうるかたちを生み出す反面、多くの要素のバランスであるため形態と構造との関係が完全に一致しにくくなる可能性がある。

両者とも違った観点で知的欲求を満たす要素を持っている点で、専門の領域では議論を生み出す良い対象であると思う。しかし最終的には理屈ではなく心を打つかどうかだと思っているので、実際に現物をみて考えていく必要がある。形態と構造の一致ということはエンジニアの世界では自明のことのように言われてきたが、一致の程度という観点をみていくと現代の橋梁デザインを記述していけるような気がする。

この2つに関しては、スイス、スペイン、フランス、オランダで橋梁を見てきてもさほど意識的にはならなかったが、昨日のドイツとオランダからの来客と話してから、ぼんやりと頭の中に浮かび始めた。どうもドイツで橋梁を実際にみる必要がありそうだ。