今日もローランと話したが、僕たちが提案することへの期待や、提案を大切に考える人たちと仕事をする必要がある。それは自ずと仕事の条件にも反映されてくる。日本では、契約やデザイン料などの交渉を曖昧にすることや、条件や金額の交渉をすることがどこかはばかられる風潮がある。しかし、今の僕の環境は違う。仕事の条件や金額は、僕たちの能力への評価や期待でもあるからだ。お金が最も重要だと言いたいのではないが、金額が少ない仕事は相手の緊張感もないため、なあなあになることが多い。もちろん少ない金額で志のある仕事もある。しかし本当に相手に志があるときは、次回に必ず金額に見えてくる。
また、僕たちのようなアイデアを核とした仕事は、時間給の単純労働でもないし、具体的な形に値段をつけて売るのとも違い、金額設定の際には形は目に見えていない。つまり能力を信頼して、いい提案や仕事に期待をして、相手は条件や金額を決めるのである。だから、そこは相手からの評価と表裏一体になるという一面もあるのだと思う。
不景気だといわれる今、価格の安さだけが評価軸になりがちで、また、価値基準が規格化されてしまっている現代では、人としての能力に期待して信頼して、仕事を依頼することは難しいことだ。だからこそ、そういう仕事には全力で答えないといけないと思う。
ちいさな歩道橋のプロジェクト。これが日本で初めてのネイ&パートナーズの仕事となるはずだ。