2010/12/11

ベルギーのおすすめ(2)Bozarの展覧会

先のブログに書いたLucas Cranachの展覧会。絵画は詳しくないが、この人調べていくと面白い。ちょうどドイツで印刷技術が発明されたころであり、宗教改革の時代の人である。Bozarの展覧会の解説をみていくと、画家でもあるが、同じ図案を工房に人をかかえながら生産していたり、絵画の中にテーマを補足するテキストが挿入されたり、グラフィック的な要素がみられる。

表現としては古典的な絵画なのだろうけれど、現代的な要素がみられ、きっと当時にすると前衛的な表現が含まれていたのだろうと想像する。展覧会はその背景や展示のテーマ、キュレーションの意図がわかることで、より楽しむことができる。これまでは退屈に思っていた古典絵画の展覧会にも、見せ方によって違った光が射すのだと思う。

Bozarの展示はそこまで丁寧にはできてはいないが、その背景を自分で知ってからいくと、空間構成と共に楽しめる。

Bozarの展覧会は良質ものが多い。ベルギーのおすすめである。