もちろん内容としては、展覧会のタイトルにもあるように、力学をベースにしながら「かたち」を生み出していくという、ローランネイの思考にスポットを当てている。力の流れを意識するということは古典的ではある。だが、彼の特徴は最先端の技術も取り入れながら、力学によって生み出される「かたち」の可能性を拡張しようとしているところにある。と同時に力学をベースにするからこそ無駄のない、しかも建設可能な構造体へと到達することが出来るデザインプロセスにある。力学が基本になることで合理的な最適解に近づくため、建設行為で特に問題となるコストの問題も解消されていくのだ。意匠性と経済性もしくは安全性は相反しないのである。このことは解析を含めたデザインプロセスが事務所内で完結できることとも関係している。展覧会で紹介している「かたち」の成り立ちをじっくり見ていくことで感じてもらえるのではないかと思う。それぞれの「かたち」はデザインが先行されているかのように見えて、実はすべて合理的に説明可能なのである。感覚だけにまかせて任意に引かれた線は一本もない。どのように「かたち」が生み出されたのか、「かたち」と力の関係はどのように考えられているのかに注目してもらいたい。そして「感覚だけに」と書いたが、直感による部分と力学によって決められる部分のバランスから成り立っていることも、じっくり英語を読んでもらえれば感じてもらえるのではないかと思う。
今日はテレビの取材で僕も紹介された。オランダ語なのでどこで流れるのかよくわからないが。。。
さあ、明日朝入稿だ。