僕はようやくこの去年一年で、事務所のスタッフに僕がどういったことが出来るのかが伝わって多くのことを求められるようになったこと、意匠から構造解析、施工に至るまでのプロセスにおいてどういうコミュニケーションが必要かが僕なりに見えつつあることを話した。課題点は、言葉のスキルが足りないことによるコミュニケーション不足なこと。日常的なことはフランス語でもなんとかなるが、デザインを伝える言葉や設計条件などの資料を読み込むレベルはまだ時間がかかる。
今回嬉しかったのは、まだしばらく事務所で働いて欲しいと言ってもらえたこと、事務所の領域を広げるのに必要だと言ってもらえたことである。また、プライベートの僕の今後の話もしっかり出来た。ここはとても重要。
4月の展覧会の作業が一段落したら、新しいチーム編成に加わる。幾何学やパラメトリックデザインを中心に扱って、エンジニアリングの新しい領域を模索するため、僕は意匠面からこのチームに加わる。僕以外は数学者、プログラマー、意匠的な感覚を持ったエンジニアといったメンバー。設計プロセスを考える上では非常に興味深いし、僕自身にとってもなかなかおもしろそうだ。建築とか土木とかそういった区分を超えたところで思考が出来るのは楽しい。
そして、こういった内容をどのように公共に開いていくかということを同時に考えようと思う。