2010/03/25

展覧会、打ち合わせ、Bozar

今日は展覧会の打ち合わせでBOZARへ。大まかな方向性の最終確認。来週から細部を詰めていって、一気に仕上げていく。もう一ヶ月を切った。時間に余裕はない。アイデアはシンプルな方向へ。特殊なことはするつもりはない。メインのプロジェクトを絞り、プロジェクトの内容がしっかりわかるように紹介すること。ローランネイの思考のコアをテキストと、僕がつくったプロジェクトフローチャート(相関図)で紹介すること。そして今回の展覧会のタイトルにもなっているShaping forces、かたちと力の関係を紹介する。彼自身の思考の軌跡でもあるかたちの成り立ちに焦点を当てるのである。つまり基本的なプロジェクトの解説はもちろんありつつも、かたちの成り立ちを紹介していくのが本展覧会のメインとなる予定。同時に出版される作品集、建築雑誌A+での特集記事にも載らない展覧会だけのコンテンツを用意しようと思っている。僕自身の一番興味を抱いてる部分は展覧会のみでしか見れないのである。だからこそ展覧会を見る価値があるのだと僕は思う。そんな方向にしようと考えている。来週また打ち合わせを行い、もう少し具体的にする予定である。写真は会場となる展示スペース。今はメキシコの展覧会をやっている。




打ち合わせの後、ベルギーの若手建築家を紹介するNICHEというレクチャーシリーズをBOZARできく。今回は、OFFICE KERSTEN GEERS DAVID VAN SEVEREN。前回のベネチアビエンナーレのベルギー館の設計者。この年のビエンナーレでもっとも印象に残っていたものだ。しかも、Olgiatiの講演会で隣り合わせになり、建築について話をしたのが彼だった。


講演を聴いての印象は、非常に合理的な思考から建築をつくるということ。そしてどのプロジェクトも一貫した思考が貫かれていて、建築をある種のフレームのように設定し抽象的なグリッドによる境界から空間を生み出している。一つの強い思考というかツールを元に、様々に複雑な条件を解いていくあたりは、どこかローランネイの思考にも通じる部分がある。しかも各プロジェクトが飛び抜けているというより、じっくり解説を聞いていくと非常に明解で独自の部分が見えてくるあたりも共通している。ベルギーという国は、多言語国家であり、様々な文化が入り交じった小国である。多くのものが混じり合い複雑に絡み合っている中で、一つの最適解を見つけ出さなくてはならない状況は常に存在する。国民性としては地味な方であるが、独自の文化も持っている。このような地域性だからこそ、こういった思考が生まれるのかも知れない。地域性と合わせてベルギーの建築シーンを伝えていく企画はおもしろいのかも。