打ち合わせの後、ベルギーの若手建築家を紹介するNICHEというレクチャーシリーズをBOZARできく。今回は、OFFICE KERSTEN GEERS DAVID VAN SEVEREN。前回のベネチアビエンナーレのベルギー館の設計者。この年のビエンナーレでもっとも印象に残っていたものだ。しかも、Olgiatiの講演会で隣り合わせになり、建築について話をしたのが彼だった。
講演を聴いての印象は、非常に合理的な思考から建築をつくるということ。そしてどのプロジェクトも一貫した思考が貫かれていて、建築をある種のフレームのように設定し抽象的なグリッドによる境界から空間を生み出している。一つの強い思考というかツールを元に、様々に複雑な条件を解いていくあたりは、どこかローランネイの思考にも通じる部分がある。しかも各プロジェクトが飛び抜けているというより、じっくり解説を聞いていくと非常に明解で独自の部分が見えてくるあたりも共通している。ベルギーという国は、多言語国家であり、様々な文化が入り交じった小国である。多くのものが混じり合い複雑に絡み合っている中で、一つの最適解を見つけ出さなくてはならない状況は常に存在する。国民性としては地味な方であるが、独自の文化も持っている。このような地域性だからこそ、こういった思考が生まれるのかも知れない。地域性と合わせてベルギーの建築シーンを伝えていく企画はおもしろいのかも。